かかりつけ薬局制度と国民医療費
今回は、かかりつけ薬局制度の導入と国民医療費についてまとめてみました。
【ニュース概要】
先日、政府は患者の服薬状況を一元管理する「かかりつけ薬局」制度を導入する方針を固め、2016年春のスタートを目指すというニュースが発表されました。
(2015/5/10 読売新聞ニュース)
現在の課題と「かかりつけ薬局」制度の目的
・高齢者の薬の飲み残しや重複を防ぐ⇒年間数千億円の医療費削減
・現在、日本国内は高齢化が進んでおり、薬の適正使用が課題となっている。
・特に75歳以上の約50%が1か月間に複数の医療機関に通院している。
・薬の重複による副作用の防止⇒一括管理の必要性(薬剤師さんの出番ですね)
国民医療費の現状分析
かかりつけ薬局制度導入の狙いの一つでもあります国民医療費の削減について、まずは全体を把握するためにデータを見てみましょう。
出典:厚生労働省データ(平成24年)
- 平成24年度の国民医療費は39兆2,117億円(前年対比1.6%増加)
- 人口一人当たりの国民医療費は30万7,500円(前年対比1.9%増加)
国民医療費(年齢別)
国民医療費を年齢階級別に見てみましょう。高齢化が進む日本では、65歳以上の年齢層の医療費の割合が高いのがわかります。
■国民医療費・年齢階級別
- 0〜14歳:2兆4,805億円(6.3%)
- 15〜44歳:5兆2,068億円(13.3%)
- 45〜64歳:9兆4,384億円(24.1%)
- 65歳以上:22兆860億円(56.3%)
※カッコ内=(割合%)
■人口一人当たり国民医療費
- 65歳未満は17万7,100円
- 65歳以上は71万7,200円
■薬局調剤医療費
- 65歳未満:3万900円
- 65歳以上:12万1,000円
国民医療費(診療種類別)
ここでは、国民医療費を診療医療費別に割合を見てみましょう。薬局調剤医療費は約6兆7,105億円(17.1%)あるんですね。
出典:厚生労働省データ (グラフと表は当サイト編集部で作成)
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