2040年薬剤師の需要予測
薬剤師2040年需要予想(雑誌アンケート結果)
雑誌・週刊ダイヤモンド(2018/05/19)の特集で『19医療系職種の2040年需要予測』というとても興味深いアンケート調査結果があったので抜粋して他の専門分野のデータを合わせてまとめてみました。
順位 | 職種名 | 減ると予想した割合 |
---|---|---|
1 | 製薬会社MR | 86% |
2 | 歯科医師 | 63% |
3 | 医療事務職員 | 59% |
4 | 臨床検査技師 | 59% |
5 | 薬剤師 | 53% |
6 | 診療放射線技師 | 53% |
7 | 医師 | 46% |
8 | 歯科衛生士 | 40% |
8 | 臨床工学技士 | 40% |
8 | 管理栄養士 | 40% |
(アンケート調査対象者は、医療改革を担う53人)
※出典:週刊ダイヤモンド 2018/05/19
このアンケート調査結果では、薬剤師の2040年需要は減ると回答した割合は5番目に多かった。1番多かったのは製薬会社MRでした。
薬剤師2040年需要予想【割合とその理由】
薬剤師の需要予想 | 予想した割合 |
---|---|
大きく増える | 5% |
少し増える | 19% |
同じ | 23% |
少し減る | 37% |
大きく減る | 16% |
(アンケート調査対象者は、医療改革を担う53人)
※出典:週刊ダイヤモンド 2018/05/19
薬剤師の需要が減ると考える理由
薬剤師は薬を患者に出した後のフォローがポイントか
- AIの進化
- ICT、IoTの進化
- 技術進化に伴う業務効率化
- 対象となる患者人口の減少
- 調剤や定型的な薬の説明は自動化が進む可能性
雑誌のアンケート調査結果では、「2040年薬剤師の需要は増える」が24%、「需要は減る」が53%と、2倍以上になった。減る理由としては技術進化(AI、ICT、IoT)、自動化を上げた人が多かったようだ。
日本の将来人口推計(国立社会保障・人口問題研究所)
年齢区分 | 2020年 | 2030年 | 2040年 | 2050年 | 2060年 |
---|---|---|---|---|---|
総人口 | 124,100 | 116,618 | 107,276 | 97,076 | 86,737 |
0〜14歳 | 14,568 | 12,039 | 10,732 | 9,387 | 7,912 |
15〜59歳 | 66,071 | 59,498 | 50,079 | 43,924 | 38,479 |
60〜64歳 | 7,337 | 8,231 | 7,787 | 6,089 | 5,704 |
65〜69歳 | 8,155 | 7,355 | 8,865 | 6,627 | 5,623 |
70〜74歳 | 9,179 | 6,711 | 7,584 | 7,202 | 5,656 |
75歳以上 | 18,790 | 22,784 | 22,230 | 23,846 | 23,362 |
※出典:国立社会保障・人口問題研究所の日本の人口推計(平成24年1月推計)
※グラフと表は当サイト編集部で作成
先程のアンケート結果に対象となる患者人口の減少とあったが、国立社会保障・人口問題研究所の日本の人口推計では、2040年には総人口が約1億727万人。70歳以上の人口割合が27.8%(約2981万人)となっている。総人口は減るが、高齢者人口の割合が増えることになる。
医師の受給推計(厚生労働省)
医師の需要と供給の見通しについてと比較してみましょう。
■医師需給推計2025年・2040年グラフ (単位:万人)
※需要人数を上位で計算した場合(下位と上位については下記データを参照)
■医師の需要人数と供給人数の推計 (単位:万人)
※出典:厚生労働省 医師の需給推計(2016/3/31)
※グラフと表は当サイト編集部で作成
下記のデータでは、2025年は需要>供給(1.1万人)だが、2040年は需要<供給(1.8万人)に今回の推計ではなるようです。
【補足説明】
※医師需要推計(上位推計):医師の需要推計が最大になる組合せで行った推計。
※医師需要推計(下位推計):医師の需要推計が最小になる組合せで行った推計。
※供給推計:今後の医学部定員を平成28年度の9,262人として推計。
厚生労働省の医師需給推計グラフを参考に見てみましょう。
※出典:厚生労働省データ
2024年頃に約30万人で均衡(需要推計中位の場合)
2033年頃に約32万人で均衡(需要推計上位の場合)
医師不足の解消が、推計では、2024年頃か、遅くて2033年頃にできる見通しのようです。